THE RIVER NOW 2000

6月下旬〜9月中旬は、
北上川流域の川下り絶好シーズンです。
身近に在りすぎて、
よく見えなかったスポットに視線をあててみませんか。

コンディション&個人的感想
7月16日・和賀川の視察
7月22日・息子カヌーデビュー
8月18日・北上川(大正橋〜昭和橋 約20Km)




>>> 7月16日の和賀川コンディション <<<
7月16日(日) 和賀川(湯田町)天気曇り時々雨。 気温26度(PM2:00)

今年初のカヌー始めの筈が、昼食中おもわぬ大雨に見舞われ、今日は断念する
ことにした。その代わり、単独行を行った場合の今後のプランを練ってみた。
とりあえずゴール地点に車を置く事にして、川の上流までなんとかして移動し
なければならないのだが、移動距離はおよそ7.5Kmある。ヒッチハイクして車
に乗せてもらえればいいのだが、そうでない場合は徒歩による移動になる。
スタート地点は、湯田町の温泉「砂ゆっこ」のすぐ傍なので、もしかしたら
拾ってくれる車があるのではないかと、淡い期待がある。
30kg近いカヌーを背負って徒歩は、今の体力ではだいぶ厳しい。
とりあえず最悪の移動手段時に備えて、脚力だけは養っておく必要があると思
った。
7月、8月は仕事の都合でカヌー始めは出来ないが、9月には体力を養って望
みたいと思う。



>>> 7月22日の田瀬湖ヨットハーバー・コンディション <<<
7月22日(土日) 田瀬湖ヨットハーバー(東和町) 天気晴れ。(PM3:00)

今日はパドルの感覚を思い出すため、田瀬湖ヨットハーバーで漕ぎ始めをする
事にした。だが、今日は私が子守りの日のなので息子を連れて行く必要があっ
た。

車を走らせること30分、田瀬湖には着いたのだが、心配は車中から募ってい
た。息子が水や、カヌーの揺れに怖がらなければいいのだが・・・と。

オープンデッキのペアカヌー(1時間500円)を1時間借りて、そろりと進水
した。子供と云うのはすごいと思った。怖さを知らず、初めてのカヌーを楽し
んでいた。ちょっとカッコイイ所を見せようと、必死に1時間近く漕いでいた
ら流石に汗だく&パドルを伝わった水でズボンがずぶ濡れになって、照らしつ
ける太陽の暑さにちょうど良い涼をとる事ができた。

カヌーを返して、カラカラの喉に梅ジュースを流し込んだ、今年のカヌー始め
だった。


>>> 8月18日の北上川コンディション <<<

8月18日(金) 天気晴天。 (AM10:00)

今年初の北上川での川下りである。しかも自分のカヌーでの川下りである!
まるで子供のようだが、期待と不安を抱え早めに就寝し、目覚ましよりも早
く起きてしまった。興奮を抑えつつも、カヌーの最後の点検をし、バッグに
しまい込んだ。

ルートは最近お決まりになってしまった大正橋(石鳥谷町)から昭和橋(北上市
)のおよそ20Km。

いつもならば、カヌーを大正橋まで車で搬送してもらうのだが、今回はそれ
ができないので、電車を使ってカヌーを背負って大正橋まで移動する計画に
した。


<AM 9:00>
家から最も近い、東北本線・村崎野駅まで送ってもらい、9:16発下り各駅停
車の電車に搭乗した。その瞬間、車内の視線をバチバチと浴びた。
確かに、出で立ちはちょっと突飛かもしれないけど、それほど珍しい訳では
ないと自分では思っていたのだが・・・。でも田舎に来た芸能人の扱いみた
いでちょっと嬉しかった。
その後電車は順調に進み、花巻駅、花巻空港駅、と通過し、石鳥谷駅まで約
20分電車に揺られた。


<AM 9:35>
石鳥谷駅の改札を抜け、食料を買いに歩いた。さすがに30kg近い荷物を背負
って歩くのは結構つらい。バッグの形がでかい羊羹の包みのような直方体の
形をしているのだが、長さが1.2M以上あって、バッグを背負うとちょうど私
の頭ひとつ分位上に突き出る格好になる。バランスを取ろうとすると、ちょ
っと前傾姿勢にならなければいけない。町の人たちと同じペースで歩いて、
なんとかコンビニ・キャメルマートに到着した。ちょっと早い昼食と水を購
入し、大正橋へと向かった。


<AM10:00>
石鳥谷駅から約1.5Km程で大正橋に着いた。
ふと、岸の方に目をやると2人組がいる。ただ通り過ぎるのもなんだから、
とりあえず「どうも!」と声をかけて、そこからちょっと歩いた所に腰を下
ろした。ジリジリと照りつける太陽の下でコンビニで買ったおにぎりを食べ
た。

<AM10:30>
昼食後ちょっと休憩し、カヌーをバッグから出した。
骨組みを組み立てていたら、さっき声をかけた1人が近づいてきた。見た感
じ20代半ばの好青年である。
どこまで行くのか?と聞かれたので、北上まで。と答え、私もどこまで行か
れるのか?と聞いたら、特に決めていないと返ってきた。う〜ん、なんとな
く男のロマンを感じていい気分になった。
2人組は上流で自分達のカヌーのフレーム(アルミ製)を淵に落ちた時に曲げ
てしまい、応急処置していた所だった。この先(下流)の注意ポイントはどこ
?と聞かれたので、ちょっと考えたが、とりあえず1箇所しか思い当たらな
いのでそこだけ注意すればOKだと伝えた。

その注意ポイントとは、JR釜石線が走っている鉄橋下(緑色の鉄橋)である。
鉄橋・橋桁の中央より右側を行けば瀬が1つあるが、そこをクリアすればO
Kなのである。
そんな情報交換が終わった後、携帯(-H")にメールが入ったので、返信した。
だけど、指が震えてうまくボタンを押せなかった。たった1.5kmしか歩いてい
ないのに俺って、どうしたんだろう?と思わずにはいられなかった。

<AM11:00>
2人組はしばらく私を待っていた様にも見られたが、私がカヌーを組み立て
るのが遅いせいか、軽い挨拶を交わして下流へと漕ぎ出して行った。
私もちょっと焦って、組み立てをした。

<AM11:15>
ようやくカヌーを組み立て終え、川へ運んだ。
その時、なんとなくメガネを固定するアイテム(商品名:メガロック)を装着
したくなった。一度防水袋にしまい込んだメガロックを取り出し、メガネに
装着し、川へと出た。

第一印象「揺れる・怖い」だった。

最近まで2人乗り用の安定しきったカヌーしか乗っていなかったので、乗り
込む時、結構揺れて乗るのがちょっと怖かったのだ。内心、流れの無い沼等
でカヌーに慣れておけばよかったかな?とは思ったが、しょうがなかった。

気を取り直して、慣れる事に専念してゆっくりと漕ぎ出した。
姿勢によって、カヌーの進み具合が変わることに気づいた。ちゃんとピンと
背筋を伸ばしているとカヌーは言うとおりに動いてくれた。だらりと背筋を
まげて怠けてパドルを漕いでいるとそれはそのとおりに動いた。

<PM12:15>
蝉時雨でいっぱいな事に気づいた。
必死で漕いでいたので他の事に注意する余裕がなかったが、1時間程でだい
たいカヌー「SS1」に慣れる事ができた。ちょうど花巻農業高校の裏の川辺の
ステージにさしかかった時だった。


しばらくすると、鬼ヤンマが遊びに来た。カヌーの先端に止まり、羽を下げ
て休んでいた。そこからはそろーりと漕いでやって、揺れがなるべく伝わら
ないようにしてやった。


今年は雨が少ないので、川の水量が少ない。でも、今まで水が無くて困って
いた所には逆に水量があったりして不思議なところもあった。北上川の石鳥
谷・花巻付近は、バイパスと高速道路の建設で、川に新しい橋桁や橋ができ
ている。そのため水量の制限を建設省かどこかでやっているのか?と思った。
家に到着してから友人から聞いたのだが、毎年川底は変わるものだよ!と教
えてもらった。確かにそうかもしれない。

<PM12:45>
北上川の支流のひとつが見えた。
よく見ると、さっきの2人組が乗っていたカヌーがあり、奥の方に目をやる
と、ルアー竿を振っていた。彼らはフィッシャ−マンだったのだ。
どこまで行く?の問いかけに、決めていないと言う返事にやっと頷けた。

<PM 1:00>
2人組へ伝えた、注意ポイントが見えてきた。
今は3つの橋が並んでいる。
赤い橋その奥に白い橋(灰色)、その奥に釜石線鉄橋(緑の橋)である。
新しい橋(白い橋)を「写るんです」に収めながら悠々と漕いでいった。


<PM 1:10>
その後、少し水を飲んでリラックスし、パドルのジョイント部を確認し、深
呼吸後、姿勢を正した。水量は無いが、ごつごつとした岩は水上には出てい
ない!コースも十分に見極めた。つもりだった。

<PM 1:15>
鉄橋下の瀬に突入した。
勢いをつけてパドルを漕いで、横波を振り切った!やった!!と思った瞬間、
いつもは無いのに今日に限って2つ目の瀬が姿を現した。狼狽した。

その瞬間、船体は左に傾き、私は見事に沈した。

私は頭から水に浸かり、カヌーには半分も水が入ってしまった。力のある川の
流れにジリジリと押されながらも、すぐさま体制をもどそうと、近くの岸まで
歩こうとした。しかし、足場は大きな岩が連なる起伏のある川底。川底は見え
ないので、とにかくゆっくりと足場を足探りしながら岸へ近づいた。その時、
足が深みにハマリ、捕まえてたカヌーも一緒に川の中へすっぽりと入ってしま
った。川の流れに逆らっては危険と察知し、流れに任せてなるべく岸に近づく
ようにした。ようやく岸に着いた時、カヌーの背もたれが無いことに気づいた。
まず、落としたのは命ではなく、背もたれで済んでよかったと思った。

その後、カヌーいっぱいに入ってしまった水を出さなければならない。カヌー
を傾けようとしたが、重くてなかなか動かない。渾身の力でようやく傾き、中
の水を出す事ができた。

<PM 1:30>
沈してから15分程で体制を元に戻せたが、なにせ生まれて初めての沈なので、
動揺は隠せなかった。しばらく、気持ちに平静さをかいで漕いだ。

猿ヶ石川との合流点に来た時、すこし気持ちをなだめようとそっちの方に入っ
ていった。合流点付近はほとんど流れが無く、その無流のポイントでちょっと
だけ休息した。

気を取り直して、漕ぎ始めて朝日橋(花巻市)が見えた。数年前から川の工事が
行われていたが、2本に分かれていた橋下付近が、今はひとつになっていた。
(水量が少ないせいか?)工事後の川の流れはとても急流に見え、その中心に
入っていく勇気は無かった。

<PM 2:30>
北上工業団地端の浄水場が見えてきた。
意外にその見えてきた付近も急流ポイントがあり、川に流され立ち木にぶつか
りそうになったがギリギリセーフですり抜ける事ができた。

浄水場脇を通過すると、相変わらず泡の川になっていた。13年ほど前、
昭和橋付近で釣りをしていた時、ルアーを中州に引っ掛けて、ルアーを取るた
めに泳いだのだが、その頃は泡は見えなかった。ちょっと残念なこの頃。

<PM 3:00>
どうにか昭和橋(北上市)橋下の船着場に着岸した。
初体験の沈と、川の泡と、カヌーを背負った筋肉痛で久方ぶりに疲れきった一
日であった。

しかし、今日の失敗をバネにして、次回からは大いに楽しむつもりである!

※沈した後、カメラ(写るんです)のフィルムを巻けなくなった為、それ以降の
 写真は写せませんでした。m(_ _)m


お気楽なメールお待ちしています。