THE RIVER NOW 2001

6月下旬〜9月中旬は、北上川流域の川下り絶好シーズンです。
身近に在りすぎて、よく見えなかったスポットに視線をあててみませんか。

コンディション&個人的感想
9月2日・閉伊川ゴムボート川下り大会(第13回)
7月8日・和賀川ゴムボート川下り大会(第12回)
参加要領資料は、
閉伊川ゴムボート川下り大会は「新里村役場企画課」0193-72-2111(代)7月下旬、
和賀川ゴムボート川下り大会は「湯田町役場」0197-82-2111(代)、
北上川ゴムボート川下り大会は「JR緑の窓口」にそれぞれ5月下旬から置かれています。
尚、閉伊川は ホームページ「新里村WEB」で大会記録等を確認できるようになっています。


>>> 9月2日の閉伊川コンディション <<<

9月2日(日) 閉伊川(岩手県新里村)競技距離5.6km
天気:晴れ 最高気温:24℃


今年2回目の川下りは、閉伊川の第13回ゴムボート川下りである。 2、3日前に北上ではまとまった雨が降ったので、当日の天気が危ぶまれたが 当日は晩夏のいい天気で良好なコンディションであった。

前評判で閉伊川の川下りは岩手県で一番・お・も・し・ろ・い! と聞かされていた。 落差があり、沈没するボートが続出すると聞かされていたので、想像しただけで 体中の血が熱くなるのを感じていた。

そんな折り、知り合いで閉伊川の大会に出た事のある人は誰も居ない事に気づいた。 出場するにはどこに問い合わせたらいいのか全く分からず、困ってしまった。 そこでインターネットを使って調べてみた。Google で 閉伊川 & 川下り でサーチ したところ、運良く新里村WEBの2000年の記録のページにヒットする事ができ、 新里村役場(0193-72-2111代)内の閉伊川遊イング事業実行委員会の 担当の人に電話したところ、大会参加資料を送っていただく運びとなった。 早速申し込み用紙に出場者名等を記入して、参加費4,000円と一緒に現金書留で郵送した。

大会要綱で気になったのが、ヘルメットの着用を義務付けている事だった。 今まで出場したのは北上川、和賀川だが、北上川も一応ヘルメット着用 するようにとは書かれていたが、10組に1組も着用していなかったし、 和賀川も然りだった。 しかも、セルフレスキューが出来る事!と書いているではないか!! これって、少しヤバイかも?と内心思ったが、すぐにまた血が熱くなってしまった。

今まで聞いた事の無い出場条件だったせいか、今回数年ぶりに一緒に出場する友人に 勘を取り戻したいので、1、2回は練習したいと言われた。 本当は閉伊川に行って練習したかったが、場所がわからなかった。

数日後、先輩と電話しているうちに「湯ったり館」の話になり、 場所を聞いて、渡りに船とばかりにその週の休日に 早速ゴール地点である、湯ったり館をチェックしに出かけた。

湯ったり館は遠かった。

自動車で北上からだと新里村茂市までは遠野経由の国道283号線と国道340号線 を辿るルートとなるし、盛岡経由だと盛岡まで国道4号線を北上し、 南部会館の交差点から国道106号線を通り区界峠を抜けるルートになる。
どう考えても盛岡経由の方が長距離なのだが、道路条件や沿道施設条件 を考えた場合、盛岡経由の方が都合が良い事がわかった。 因みに、どちらのルートも同じ2時間15分で行ける事が判明した。

勘を取り戻す程度なら、わざわざ閉伊川まで出かけなくても良いと判断し、 近場の和賀川で練習する事になった。

それから数週間たった休日、和賀川へ練習に出かけた。 7月の和賀川大会の時は水量があって素晴らしい条件だったが、 それから1ヶ月も経つと条件はだいぶ変わっていた。 水量が少ない上に、釣り人でごった返していたのだ。 両手を合わして、すいません、すいませんと釣り師に言って通過するのは どう考えても無理な状態だった。
条件が悪いのはそればかりではなく、どうやら黄色いライフジャケットや 黒系統の服を着ていたのが災いしたのか?手荒い「アブ」の歓迎を受けた。 追い払ってもしつこく付きまとって来るのだ! しまいには、あー!もー! などど声を発しながら、じくじくと痛む 手足を摩りながら、勘を取り戻す練習を終えた。

その後、練習の反省をすべく、練習のスタート地点近くの 「砂ゆっこ」(湯田町槻沢)に砂浴びに立ち寄った。 入浴?いや入砂料1,000円というのは、ちょっと高い様な気がしたが、 滅多に来るところでは無いので、妥当な料金だろうと、 熱い砂にジリジリと素っ裸に浴衣をまとった状態で15分間熱っされながら思った。
因みに砂ゆっこは混浴であります。ま、混浴と言っても 全身頭だけ出して砂に覆われるので顔しか見えませんが・・・

といった感じで、閉伊川ゴムボート川下り大会の下準備は整った。

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大会当日、目覚まし時計がAM3:30に鳴った。
天気がとても気になったので、窓に目をやると、まだ真っ暗だった。 星空が広がっていたので、少しほっとした気持ちで、持ち物の点検などを済ませた。 AM4:00にヘッドライトを灯し、パートナー宅へ向けて家を出た。

パートナー宅でヘルメット等の小物を車に乗せ、AM4:30に湯ったり館目指して 出発した。
湯ったり館までの道中、盛岡のコンビニで朝食を購入して腹ごしらえをした。

<AM6:30>
会場の湯ったり館に到着。
周りを散策をしてりして、7:30の受付まで時間を過ごした。 ちょっと早く出発しすぎた感じがした。

<AM7:30>
受付を済ませ、ゼッケンを貰った。(一般の部の4番)。
大会事務局に申し込んだ順番にゼッケンが割り振られるルールだった為、 別段早く申し込み用紙を郵送(7月30日)したつもりではなかったが、 初めての1桁の番号だった。

<AM8:30>
開会式が始まった。
どこの大会もそうだが、大会役員代表挨拶、村長挨拶、そして競技説明、 で締めくくられた。競技説明で1.5m位の落差があるので〜 との発表にその場がどよめいた。
けど、開会式でもうひとつ気が付いたのが、参加者の女性の比率が 高い事だった。女性の部は下る距離は3.9kmだが、一般は5.6Kmと、 1.5Km上流から下る。それを知っている常連さんの女性チームは 楽しむ距離を長くして参加しているようだった。

<AM9:00>
出発地点の腹帯発電所近くに移動する事になった。
閉伊川は国道106号線沿いに流れている、いや、 国道が閉伊川に沿って走っているので、移動のマイクロバスから 川の状態を見ながら移動できた。
移動のバスから川を見ると、どこの川でも感じるのが、 この程度の水量で大丈夫なのか?岩が出すぎているのでは? なのであるが、不思議と川に入ると大丈夫なのである。
そんな感じで15分程バスに揺られていると、出発地点に到着した。

<AM9:15>
バスから降りて直ぐにゴムボートに空気を入れ始めた。
大会側でコンプレッサを用意してくれてはいたが、待っている人が 多かったので、足踏みポンプで空気を入れることにした。 もう少しで空気を入れ終わるかなと思い始めた頃、 少し川に近いところで陣取って空気を入れていたお姉さん方 から声を掛けられた。空気を入れる為のアダプタを忘れたらしく、 アダプタを貸してください。との事だったが、自分達はその アダプタは持ってきておらず、残念だけど何もしてやれなかった。
しばらくの間様子を見ていたが、なんとか工夫して空気を入れていたので 大丈夫と判断して何も手伝わなかった。
というか、その人達は閉伊川の大会にずっと出ている常連さんの様で、 バスに乗る前から地元参加者?の人達とお話していたのを聞いていたので、 下手に手伝ってプライドを損ねられても困るかな?と思ったりもしていた。

気持ちを自分達側に戻し、空気を入れ終え、持ってきたガムテープを張る事にした。 しかし、持ってきたガムテープ1つでは全く足りなかった。3個は必要だった。 それでも張らないよりましだと思い、ボート底の中央にだけガムテープで補強した。

しばらくすると、拡声器によるアナウンスが流れた。
スタート地点はもう少し上流ですので、そちらに移動願います。と。 友人とよっこらしょっと、ゴムボートを抱えて上流まで移動した。

<AM10:15>
ボートを川に下ろす為に、体を川に入れた。
すっごく冷たい! けど、すぐに慣れてしまった。 そうやって体温を少しづつ奪われながら、スタートを待った。

スタート5分位前になって、すこし場がどよめいた。
あの、空気をいれるアダプタを忘れたお姉さんチームが登場したのである。 すぐさまコースを空けてもらって、所定の位置についたのである。 てっきり、もっと後のスタートだと思っていたので驚いた。

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※後で分かったのだが、このお姉さんチームがブロックで1位を獲ってしまうのである。 偶然自分達がゴールした時、その話題で盛り上がっている光景を目の当たりにしたのである。
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自分達のスタート位置はとても有利な位置だった。
他のチームは大きな岩が迫る位置だったりしたので、 どう考えてもスタートで先頭になってしまうと思って困っていた。 困った理由には、初めての川なので、コースが分からないので 次の難所の予測がまったくできない事だった。
そんな事を友人と話しているうちに、スタートのカウントダウンが始まった。

<AM10:30>
1ブロック目、ゼッケン1〜39が一斉にスタートした。
案の定、スタートの先頭を取った。
コースの先など全く分からなかったが、とにかく必死に漕ぎ始めた。 100mも漕がないうちに、岩に乗り上げてしまった。 しかも、脱出を試みているうちに、完全に乗り上げてしまい、 全く身動きできなくなってしまった。 殆どのチームにあっという間に楽々置いてきぼりにされてしまった。

数十秒脱出を試みてやっとレース再開したところ、 もう先に行ったチームは視界から消えつつあった。 これではいかんと、必死になって漕いだ。 けど、漕ぐ時の感触があまり無い。水を掴めないのである。 他のチームのパドル捌きを見ていると、とくに苦労している様子もない。 けど、自分達が必死になって漕いでいるのにも関わらず、 まったくそのチームに追いつけないのである。 不思議だ・・・何故こんなに必死にやっているのに、ダメなの?!
そんな憤りを感じながら、ゴツゴツした大岩が頻繁に現れては消えて行く コースを進んでいった。

初めての川というのは、本当に時間を確認する余裕が無く、 ましてやペース配分などもできないので、疲労が増すものだが、 閉伊川は今までの自分達の数少ない知識を超えており、 その場その場の対応に四苦八苦の連続だ。

比較的鏡状態に近い北上川や和賀川では、川の水がボートに 入ってくる事は、まず無いのだが、閉伊川は容赦なく入ってくる。 気づけば座り込んだ状態で居たので、すっかり足全体が水に浸り、 冷たい水に体力を奪われていた。

そんな状態で20分は漕いだだろうか?
突然、大会スタッフの1人が大声で「しっかりボートに掴まって下さい」と 言っているのが聞こえた。ここが開会式で言っていた落差1.5mの場所?! よく分からなかったが、その通り漕ぐのを止めてボートに掴まって その場所をクリアした。
落差は無かったが、縦横の波が連なって迫ってくるちょっとドキドキする場所だった。 そこでもかなり水をボートに入れてしまい、ますます水浸しになった。

今回の大会へはメガネではなく、ディスポーザブルのソフト・コンタクト (使い捨てコンタクト)を装着して出場したのだが、 意外にこのディスポが水に弱かった。
水が顔にかかった時にレンズが定位置からずれて、 ちょっと遠近感がつかみにくくなったが、しばらくすると自然に元に戻った。 この繰り返しが何回かあって、それにも慣れたが、慣れた後は 水がかかりそうな時は目を閉じれば良かったので、問題無かった。 けど、普通のコンタクトならあの程度ではレンズはずれないが、 ディスポは薄くて柔らかい為か、そうなってしまうのかも知れない。
一つおりこうになった。

疲労がたまり、ポジションを前後交換してみた。 慣れない後方での舵取りはより体力を使ってしまったため、 ますますボートが進まなくなってしまった。 あっさりとポジションを元に戻して漕ぎ始めた。

それからは喉がカラカラになり、弱音を吐きそうになったが、 それを言ったら後ろで久々に出場しているパートナーに申し訳が 立たないので、喉の渇きを必死に堪えて漕ぎに漕いだ。

最終コーナーを抜けると、ゴールが見えた。
自分達が漕いでいる前には同じスタート組で 自分達が岩に乗り上げてしまっているうちに 先に行ったチームが見えた。
せめてそのチームは抜きたいと思い、 必死になって最後のデッドヒートを繰り広げた。

ゴール。

結果的にはデッドヒートでは抜けなかった。 川から上がろうとしたら案の定、足ガクガクで歩行が辛かった。


今回の反省点は多々あった。

1.ボートに乗る時のポジションは、前後よりも
  エア部に腰掛けるように左右に並んだポジションに変える必要ある。
  理由:前後に位置し、腰を掛けない状態だと、踏み込んでボート底に
     突き出たところが抵抗となって進行が遅くなってしまう。らしい。

2.閉伊川は沢山の水がボート内に入る為、それを掻き出さなければならない。
  漕いでいる時は手が空いていないので、なるべく自動で掻き出したい。
  灯油の自動給油装置を改造して出場しているチームがあった。

3.川の流れをきちんと把握しないと、疲労だけが溜まってしまう。
  漕いでも漕いでも進まない状態になる。


そんな事をパートナーと話しながら、名物のかぼちゃラーメンを食べた。 麺に練り込まれたかぼちゃラーメンがうまかった。

若干落胆しつつも、閉会式での抽選会ではしっかりと景品(カップラーメン)を頂き、 疲労もすっかり楽しさで癒され、解消していた。

閉会式の時に順位表が渡されたようだったが、自分達はそれに気づかなかった。
次の日、新里村WEBの掲示板へ大会の感想を書き込んだのだが、 その時に順位が分からなかった旨も書き込んだところ、親切にも順位表を メールで送っていただいた。そんな計らいがとても嬉しかった。

順位表で順位を確認したところ、
一般の部で111チーム中18位、時間40分34秒であった。
1位のチームは32分25秒であったので、8分程の差はあるが、8分を縮めるのは 無理だとしても、反省点を克服すれば、次はいくらか良い結果を出せるのでは ないかと思った。

来年も絶対に出場して今年よりも良い景品、いや、良い成績を得たいと思う。


>>> 7月8日の和賀川コンディション <<<


7月8日(日)和賀川(湯田町)
天気:快晴 気温:16℃(AM8:00)→27℃(PM3:00)

 今年初の川下りは、和賀川ゴムボート川下り大会(第12回)である。
天気にも恵まれ、絶好のコンディションのもと大会は開催された。

 実は、今回の川下りは出場しないつもりでいた。というか、受付期限が切 羽詰るまでパートナーが見つからなかったのが原因で、今回は本当に見送ろうと考えていた。 ところが6月24(日)に地元の有志の集まりに「笛の会」というのがあるのだが、 何時ものように鍋をつつき、その合間に笛を吹いて会話を飛ばしている時、 不意に和賀川の川下りに出場しないか?と聞かれた。えっ、一瞬耳を疑ったが、 出場者が足りなくて、まだ出場できるかもしれないと千田さんから聞かされた。
自分は即OKです!と伝えたが、大会事務局に問い合わせてみないと まだ分からないと言われたので、もし事務局からOKが出たらお願いします と伝えて、その日はそれで終えた。

 それから3日程経って、大会事務局から出場OKだという旨を聞かされた。 良く分からないのだが、こう、血が熱くなるのを感じるのを否めなくなり、 川への想いは募り、テンションは日々高くなって行った。
が、しかし、気持ちとは裏腹に己の体力がかなり落ちているのを知っていたので 大会までに体力を養わなければいかんと思っていたが、なかなかそれを実行できずにいた。 ものぐさな己の性格故、朝は寝坊するから朝はちょっと難しい、 しかし、夜もいろいろと忙しくて難しい・・・・
う〜むと腕ぐみしてしばらく考えたが、ようやく打開策を得た。
朝、会社まで自転車で行く事にしたのだ。
これならば、必ず行かなければならない使命感と体力作りで一石二鳥である。 短絡的にこのプランに納得して7月4日〜6日の3日間だけ実行した。

<7月4日>
会社までは片道6Kmちょっとなので自転車では約20分で到着する。
かなりなまり切った体では、これだけの事が本当に億劫だった。 だが川への想いが強かったので、その気持ちに打ち勝てた。 家に帰ってからは腕立てを30回程度と子供を天井めがけて 放り上げる動作を何度かした。これが結構腕に効いた。

<7月5日>
更にもうちょっと無理しようと考えて、この日は徒歩で会社まで行った。
約55分で到着した。が、この日はものすごい熱さだったので、仕事するのが かなり辛かったが、この日も川をイメージして、だらける気持ちに打ち勝った。

<7月6日>
やっぱりというか、予想通りに筋肉痛が発生したので、この日は 自転車で会社まで行った。昨日がとっても辛かったので、この日は、 あぁ、なんて自転車って楽なんだろう!と安堵の気持ちで、筋肉痛の 足を解す事ができた。

ざっとこんな感じで体のリフレッシュを図り、川下り当日を向かえた。

 今回は千田さんのゴムボートを使用するので、 初めて、自分のゴムボートを使わない事になった。 いつもは前日に入念なチェックをして望むのだが、今回はだいぶ気楽だ。

 入念なチェックをするようになったのは、 ゴムボートが古くなってきた事もあるが、ほかの人と練習に行った時に その日に限ってか、ボートに小さい穴が空いていて、空気が漏れて 練習できない事があったのだ。
その人には有給をとって休んでもらっていた のだが、何とも言い難い、申し訳ない気分でその日からしばらく過ごした事を 今でも明確に覚えている。ちょうどその日も和賀川での練習だったので 和賀川を考えると、気持ちがその時にフラッシュバックするが、いつまでも悩んでいても 仕方が無いので、ちょっと無理をして楽しむ事に心がけたのだ。
と、話が過去に行き過ぎたので、現在に戻す。


<AM7:00>
和賀川ゴムボート川下り大会会場に向けて出発した。
今回で川下りのパートナーは千田さんで4人目だが 車中話をして行くと、殆どの川下り大会に出場しているとの 事だったので、今日はかなり期待できるかも!と思った。

<AM7:50>
会場に到着。
受付を済ませて、パンフレット、Tシャツ、缶コーヒー、 そしてお目当ての温泉入浴券をもらった。 一組4000円(一人2000円)でこれだけの景品が出るのは とても喜ばしい事である。
開会式は9:00からなので、1時間程時間に余裕がある。
外は天気が良すぎて熱いため、車中で待機することにした。 いろいろと川下り談義をしているとあっという間に 9:00になった。

<AM9:20>
開会式が終わり、第1団(ゼッケンの若い組半分)がスタート地点 までバスで移動する事になった。自分達は131番なので 第2団のバスで移動する事になり、またしばらく車中で カヌー談義に花を咲かせた。


<AM10:00>
自分達を乗せるバスがやってきたので、それに乗り込んだ。
橋の上を通過する度に川の水量を見てみたが、何だか浅瀬 が沢山あるように見え、ボートを迂回して通過しなければならないような 印象を受けた。本当にこれで今までよりも水量が多いのだろうか。

バスに揺られる事およそ10分でスタート地点に到着した。
第1組がスタートするのは10:30なので、自分達がスタートする 第14組がスタートする11:09にはまだまだ時間があった。

<AM10:45頃>
何組かがスタートをして、次にスタートする組から 低い狼煙みたいな音がした。ボートがバーストしたのだ。 みるみる目の前でボートが萎縮して行く様が見えた。 親子ペア組のゴムボートだった。
聞こえはしないが、まだ小学生の様に見えたが、 父親と子供の悲痛な叫びが伝わって来た。 天気が良すぎると、この様なアクシデントは発生しやすいので 自分達は気をつけて空気を8分程度にしていた。 が、もしも自分がそういう場面に直面したら かなりブルーな気分で帰るかもしれない・・・・

<AM10:55>
抽選でコースを決めた。8コースだった。 流れが急なほうだったので、スタートは楽そうだった。

<AM11:05>
自分達がスタート地点に並んだ。 水がとても冷たくて、ボートに入りたくなったが じっと時が来るのを待った。


<AM11:09>
5秒前のカウントダウンが終わり、ピストルの銃声と共にスタートした。 10隻が一斉にスタートするので、始めはだんご状態だったが、 徐々に解れて快調な出足を切った。
今回はボートの縁に腰を掛けて漕ぐスタイルで下った。 初めてのスタイルに心なしかぎこちなさを感じつつも流れを読んで 進んだつもりだった。

<AM11:20頃>
うねりのあるポイントに差し掛かった。
歓声を上げつつアップダウンを楽しんでいたら、前方との差が 詰まり過ぎ、自分だけちょっと慌てた。 その瞬間、コロっと転がるように不覚にも川に落下した。 落ちたにもかかわらず、水が綺麗だ!と思い、眺めてしまった。 そんな事をしている場合ではないのでボートに上がろうとしたが なかなか上がれない。腕を引っ張ってもらってようやく上がれた。 頭の先までずぶ濡れである。
その後、あぁ、さっきまで撮っていた 写真は大丈夫だろうかと、心配になったが、フィルムを巻けたので 大丈夫だろう!と気楽に考えてまた漕ぎ始めた。

和賀川で特に気をつけなければならないポイントは2箇所だと思った。

一箇所目は直角に左に曲がるコーナーがあり、コーナーに入る時には 既に抜ける体制で入るというポイント。

二箇所目は、ライオン山の釣り橋を通過してちょっと行った所に 岩場があるが、真っ直ぐに行かずに右に曲がるコースを辿り 岩場を迂回して回る必要があった。
そのまま直進しても行けるかもしれないが(現にそのルートを行ったボートがあった) ちょっと危険である。

それを過ぎると、和賀川のハラハラ・ドキドキするコースは終わりである。

<AM11:45頃>
秋田方面へ渡るための青い橋が見えてきた。
その橋の向こうはゴールである。が、ここからが長い。 今までのような流れではなく、かなりスローな流れであるため、 渾身の力で漕がないと進まない。

途中、いくつかのボートに抜かれ、負けるか! と思いつつ 漕いでも差は開くばかり。パートナーと息を合わせひたすら漕いだ。
ゴール付近は4隻位のデッドヒートだったので、結構ムキになった。 別に順位は気にしていなかったはずだが、人間の嵯峨がどうしても出てしまう。 デッドヒートの末、念願のゴールを果たした。

今回は特に給水の必要もなく、意外と体力がもったかな?と思ったが、 陸へ上がったとたん、足はガクガク、腕はパンパンで、 今回も、長距離を泳いだ後に陸に上がった瞬間の状態に近かった。 下る距離こそ6.5Kmと短いが、誰にでもお勧めできる川下りである。

その後表彰式とお楽しみ抽選会があり、抽選会では見事景品が当たり うれしい気持ちが増えた。順位も既に出ており、時間は54分ちょっとで 136隻中85位であった。

今回は天気、川、どちらにも恵まれた最高のコンディションで 川下りができた事が最高に良かった。


川は水だけじゃなく、安らぎに満ちた情熱も流れている。